Large Size Ferrite Cores for High Power
Mn-Zn Soft Ferrite Material :DTT-D9B
従来大型トランスは飽和磁束密度Bsの高い金属ダストコアが使用されていましたが、SiCデバイスの高性能化にともなうスイッチング周波数の向上によりフェライトコアへの置換による小型化が進んできました。トランスの温度上昇は、フェライトコア自体の損失(鉄損)による発熱と、巻かれた銅線のジュール熱(銅損)による発熱によるものですが、 トランス設計においてフェライトコアの損失を制御する重要な特性はΔBです。従来のフェライトコアのBsは約500mT(100℃で約400mT)であり、小型化・ハイパワー化には限界がありました。我々は欧州の研究機関CERTHとの共同開発により Bs600mT(100℃で500mT)の性能を持つDTT-D9Bの量産化に成功しました。
性能評価事例-1:PQ50/50 AL277(nH/N2) Incremental inductance
次世代半導体 (SiC パワー デバイス) を最大限に活用するために、受動部品、特に磁気部品は、これらの新しいデバイスと互換性がなければなりません。 特に高周波および高パルス励磁下において比較的高温下での高飽和磁束密度と低電力損失が必要です。
左のグラフはPower Choke Tester:DPG10-1000AによるPQ50/50フェライトコアのIncremental inductance(Linc)測定結果です。 汎用材であるDTT-P4に比べ、NI-Limit(▲40%)は室温で9.6%、100℃の高温で17.9%向上が認められます。
※20%、40%のラインは、直流重畳特性によりAL-Valueを初期値から20%、40%低下した後の値を表しています。
性能評価事例-2:F93/30/28 Plate Core Incremental inductance
評価事例-2ではプレート型フェライトコアにおける直流重畳特性を比較しています。プレートコア単体から接着による形状構成、トロイダル等各種Gap付製品など、大電流リアクトルでの効果が期待されます。
左図はF93/30/28プレート型フェライトコアのLinc測定結果です。 汎用材であるDTT-P4に比べ、I-Limit(▲40%)は室温で13.1%、100℃の高温で23.4%向上が認められます。
※20%、40%のラインは、直流重畳特性によりをLinc初期値から20%、40%低下した後の値を表しています。